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Koichi Hayashi / 林幸一

「日本で再会したリアルエールは、まさしく私が求めていた真のエール だったのです」(「MAIN BAR COAT」President・「Public House Old Rock」Owner)林幸一

おらが町のパブ

イギリス北部、ヨークシャー地方を旅した時、カントリーロード沿いに小さなパブがぽつんとたっていました。「こんな田舎のパブにお客がいるのかな〜」と思いつつ中に入ったのですが、そこで待ち受けていたのは、老若男女、子供までもがぎっしり集い、楽しそうに過ごす光景でした。その輪に加わった私に、ひとりの老人が矢のような質問を投げかけてきました。「君の町にはパブはあるのかね? おいしいエールはあるのかね? 音楽はあるかね?」。最後に、その老人は「おれの町のパブはいいだろ〜」と自慢げに笑いました。
自分の町にも“おらが町のパブ”をたちあげたい、私たちのチャレンジはそこからスタートしました。けれど、人口の少ない町でのパブ経営はあまり例がありません。私たちは思索をめぐらせ、アイルランド人やイギリス人の生活に密着したパブリック・ハウスの“リアルな空気”を表現しようという結論に達しました。まずハード面では、インテリアに英国のアンティークマーケット等で買い付けた家具や建材をとりいれ、できる限り現地のパブの雰囲気を出そうと努力しました。そして、生ビール専門店としてリアルエールを商品にとりいれたいと考えました。

リアルエールとの出会い、そして再会

私が初めてリアルエールと出合ったのも、前述のパブでした。地元のスモールブルワリーで醸造されたというそのリアルエールのうまさにたちまちとりつかれ、以来、国内で「真のエール」が飲める日を心待ちにしていたのです。そんな私にとって、日本でリアルエールと再会した感動は忘れがたいものです。都内のパブで飲ませてもらった国内産リアルエールは、ヨークシャーのエールとまったく同じ味わい……まさしく私が求めていた「真のエール」だったのです。ビール専門書などで「ハンドポンプで注がれるエールは、残念ながら国内では飲むことができない」という記述を目にしていただけに、その感動はバーテンダーとしてというよりは、むしろひとりの飲兵衛として大きなものでした。今、自分の店でリアルエールを出していることに、不思議な縁を感じずにはいられません。

リアルエールの魅力

リアルエールには、ハンドポンプで注ぐというプロセスによってストーリー性が生み出されます。ストーリーテラーである私たちは、お客様に「これが“真のビール”です」とお伝えしながら注いでいます。
リアルエールの魅力はなんといっても、その華やかな香りではないでしょうか。その最も大切な香りを楽しんでいただくために、温度は12度前後にしています。しかし、日本のいわゆる生ビール(ラガータイプ)を飲みなれている方に、なんの説明もなくお出しすると戸惑われてしまうので、初めての方には必ずリアルエールについてお話しするようにしています。そのため、お客様はのど越しではなく、香りを意識してくださるようになりました。また、松本の冬は大変寒くなるので、「最初の一杯はキンキンに冷えたビールよりリアルエールがちょうどいい温度だよ」というお客様の声もありました。逆に、夏は少し低めの温度で提供しようかと考えています。
英国で数百年の歴史をもつパブリック・ハウスとともに、「真のエール」の文化がここ城下町・松本に根づくよう努力していきたいと思っています。

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林 幸一氏 略歴

  • 1997年ビーフィーターインターナショナルコンペティション・ロンドン大会第4位
  • 2001年(社)日本バーテンダーコンテスト・総合優勝

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