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Toshiyuki Ishii / 石井敏之 Tatsuo Aoki / 青木辰夫 Masaki Murasawa / 村澤政樹 Minoru Nishida / 西田稔 Koichi Hayashi / 林幸一 Tatsuya Mankasa / 蔓川達也

Toshiyuki Ishii / 石井敏之

「絶対にごまかしが利かない、だからこそ本気になれる。」(ヤッホーブルーイングCOO(最高執行責任者)兼Brewery Director)石井敏之

リアルエールとの出会い

90年代後半アメリカ・カリフォルニアのBreweryで働いていた頃、地元で「第1回リアルエールフェスティバル」に参加したのが最初の出会いです。そのイベントを主催したのが、帰国した現在でも加盟しているBrewer’s Guildだったのです。Cask-aleの製造からフェスティバルの運営・実行のほとんどをサポートできたことが今となっては貴重な経験になりました。Breweryの大きなタンクではなく、小さなCaskで2次醗酵・熟成させBeer/Engineで引き抜くリアルエールは、その瞬間しか味わえないという鮮度の良さと強烈なフレーバーを特徴とするものでした。「これは絶対ごまかしは利かない。だからこそ本気で取り組んだら面白いだろうなあ。」と当時、実感した記憶があります。

リアルエールへの想い

僕にとってリアルエール(Cask-ale)は、イギリスとアメリカからの賜物です。「Spiritを受継いだ!」と言っても過言ではありません。彼らにとってのリアルエールは、日本人にとっての日本酒です。英米の伝統と誇りそのものです。だからこそ僕はかたくなにエールのみを創り続けられると確信しています。「ラガーを創るなら僕というBrewerは必要ない。誰か他の人間がやればいい。それはBrewer/Ishiiとしての天職ではないですから。いつでもアメリカに帰りますよ。」実際、リアルエールはビールの種類でもなければスタイルでもありません。それはプロセスそのものです。Brewerたちは、原材料を厳選することからスタートし、全てのプロセスで手間ひまをかけ愛情を注ぐ。パブのパイントグラスに注がれるその瞬間まで。「想いのリレー」は決して途切れない。Malt、Hop、Yeast、そして水。そこに携わる全ての人々の「想い」を束ね、リアルエールという最高のマスターピースを作り上げることがわれわれBrewersの責務なのです。

2人の師

僕は、パイントグラスに注がれたリアルエールを見つめる時、必ず2人の師の存在を思い出しています。1人は、アメリカ人師匠Steve。彼は僕にプロのBrewerとしての「あるべき姿」を教えてくれました。コピーはBrewerとして歩みだした初日に彼から贈られた言葉「Be “the high priest of yeast”! 」でもあり僕の永遠の目標にもなっています。言動はまるで日本人のようで、とても繊細で、きめ細かく、妥協を許さず、創ることに真摯な態度で臨む頑固なBrewerです。リアルエールを存分に楽しむアメリカ人の生き様も彼らから学びました。「ビールは嗜好品、楽しく創って楽しく飲む。それが基本だ。」毎年アメリカに帰ると師弟の会話は、常にビールとゴルフとベースボール。「彼には一生頭が上がりません。だから恩返しに、いつの日かアメリカのビールコンペで彼に勝ってみたい。でもゴルフは今でも僕の方が上ですけど。」

もう1人はイギリス人師匠Roy。リアルエール業界の「世界的権威」です。イギリスで彼を知らない人はいないという長老Brewerです。彼と僕との出会いは実に運命的でした。いやきっと必然だったのでしょう。だからこそ出会ったその瞬間、「Cask製造における全てのテクニックを教えるからお前が受継げ。そして日本で広めろ。」と託してくれたのかもしれません。地球の反対側のFar-east日本からリアルエールを学ぶために、イギリスまで乗り込んで来る人間など、想像もつかなかったそうです。「伝統の重みを授かったあの1日は今でも忘れられない。彼の思いは僕が受け継いだ。だから今でも定期的に連絡しています。日本の息子は、約束通りリアルエールを広めているよ。親父に教わったことを日本流にアレンジしてね。もちろんRoy秘伝のCask-ale製造方法を再現できるのは1人しかいない。だから木樽を操る魔術は僕だけが守っているけどね。」近いうちイギリスに行って報告してきます。「あなた方のSpiritは日本でこんなにも受け入れられてますよ。」と。

現状と将来性

現在、この国に地ビールという業界はあってもリアルエールという業界は全く存在しません。「リアルエール(Cask-ale)」という言葉だけが独り歩きしているに過ぎないのです。イギリスとアメリカですらリアルエールはそれぞれ解釈や製造法が微妙に異なる。販促・流通方法は明らかに違う。フェスティバルの開催方法もそれぞれです。日本でも東京リアルエールフェスティバルは開催されていますが、プロの「商品」として製造・流通させているBreweryはまだまだ少ない。つまりそれだけ定期的な製造・流通が難しいという製品なのです。だからこそBrewerの実力が、Breweryとしての真価が問われる数少ない逸品です。それはもちろん望むところです。1社だけで業界を作れるわけではないですから、リアルエールを愛する人たちと共に「この国でリアルエールの世界を着実に紹介していきたい。」それがヤッホーブルーイングのミッションでもあります。もちろんCOOである僕が率いている限り<楽しみながら虎視眈々>と広めて行きますよ!

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石井敏之 略歴

  • アメリカ・カリフォルニアのMicrobreweryにてBrewerとして勤務後、帰国。
  • 01年ヤッホーブルーイング入社。Brewemasterを得て、04年より現職
  • San Diego Real Ale Festival、東京リアルエール・フェスティバルを運営。
  • Association of Brewers(USA)メンバー。

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